ロケ日記「沖縄に行こう!2」4月25日放送用です。

今回は、沖縄北部にある、やんばるの森に向かいました。やんばるの森は沖縄北部地域の総称で、豊かな自然が残っています。イタジイ(スダジイ)を中心に形成される森は、熱帯・亜熱帯植物の北限であり、温帯植物の南限でもあるのだそうです。様々な植物が混ざり合っていて、「チャンプルー(まざりあった)植生」とも呼ばれているのだそうです。沖縄美ら島財団の阿部さんにご案内いただきました。この森の中には、固有種の動植物や自生のものもあるので見に行こうという事になったのです。
帽子・タオル・長靴・軍手といういでたち。「ここまでしないといけないんですか?」という質問に、阿部さんは「珍しいものを見られる代わりに、ハブや蜂などに遭遇することがあるので、防護していかなくてはいけません。」とさわやかな笑顔でおっしゃるのです。『ハブ。。。』ちょっと聞いてないですよ〜と泣きそうになりながらもついていきました。しかし!この先はあまりの苦しさにハブのことも忘れるほどです。急勾配の上り下りの道なき道にへとへと。。。途中で「琉球ヤマガメ」に出会い少しほほえましくなりましたが、「あとどれくらいですか?」「あと何分?」と阿部さんに聞きまくり。阿部さんは、その都度「もう少しです。」と笑顔です。
もうだめだー。と思った時、阿部さんが「あと50メートルですよ」と声をかけてくださいました。普段ならよしっ!と急に元気になるのですが、今回はもう太ももが上がりませんでした。そしてやっとたどりついたところには、開発や乱獲で絶滅寸前になっている「レンギョウエビネ」が黄色い花を咲かせていました。阿部さんにお話を伺うと、やんばるの森がはぐくんできた様々な植物を知り、守ることも美ら島財団の仕事の一つなのだそうです。どこにいつごろどんな植物が何株生息しているのかを調査し、種で育てたものにを展示会などで一般の方々に自然の大切さを知ってもらっているのだそうです。素晴らしく、そして大変なお仕事です。苦労して見に行ったレンギョウエビネは、ことのほか美しく見えました。私達は、この自然を守っていかなくてはいけない。と改めて思いました。
そして、そのあと、美ら島財団で研究をされている佐藤さんにお話しを伺いに研究室におじゃましました。佐藤さんは、こちらも絶滅危惧種ですが「リュウキュウベンケイ」という植物を研究されていて、一般の人にもっと身近に感じてもらえたらと言うことで、幻と言われた一株を増やして、さらに交配させ、草丈の高いカランコエ「ちゅらら」という園芸種をつくりました。花色や八重などが出来上がっていますが、普及には時間がかかりそうです。いつの日か全国の園芸店に並ぶ日を夢見ていらっしゃるそうです。佐藤さんも、「園芸種ももともとは、野生の原種からつくられています。様々な花を植えたり飾ったりするときには、自然環境を壊さないようにする思いを少しでいいから考えて欲しい」とおっしゃっていました。ついつい忘れがちになりますが、私達も自然の中の一部という事は忘れてはいけませんね。

放送は、サンテレビで4月25日土曜日朝6時から、再放送は水曜日の朝8時からです。