ロケ日記「温室の植物を楽しむ」3月12日土曜日放送です。

今回も京都府立植物園からお送りします。お話は、引き続き長澤園長です。こちらの植物園には見ごたえのある展示がされている観覧温室があります。温室の中は、ついつい「すごいねー、ジャングルみたい」と言いながら左右を眺めながら歩いて終わりがち。でも実は楽しい植物がたくさんあるんです。是非植物に詳しい方とゆっくり歩いていただきたいですね。例えば、入口から入ってすぐのところに、ビカクシダの仲間があります。上に伸びている葉はカップ状の形容を作って養分や水をためます。下にぶら下がっている葉は胞子をつけ子孫を増やすためのもの。役割分担がされているんですね。こんな大きなシダが着生する樹木が存在することもびっくりです。
続いては、マングローブです。マングローブはよく耳にしますがなかなか実際のものを見る機会はないですね。熱帯や亜熱帯の海岸沿いの河口あたり、海水と淡水が混ざってさまざまな塩分濃度の水が出入りするところに生息する樹木群をマングローブと呼ぶそうです。いろいろな種の木があるのですが、倒れないように根が発達するものが多いのです。実際に見せていただいたものも、板根になっていました。自生地のものよりはまだまだ小さいというお話しでしたが立派な板状になっている根にくぎ付けになってしまします。植物園で植えてから20年くらいだそうで、長澤さんは「継続は力ということかなあ。環境の違う植物園でこんなに育ってくれて嬉しい」とおっしゃっていました。
そして、続いてはこれまた珍しい「アリノスダマ」です。名前からしてユニークですね。マレーシア原産で、根茎の中には迷路のように穴が空いています。アリはその中に入って巣をつくります。アリノスダマはアリの排泄物や食べ残しを養分としていて、アリと共生しています。形も面白いですね。そのほかにも、面白い植物を紹介していただいていますので、番組でご覧になって下さいね。
そして、長澤さんが一番思い入れのあるバオバブのある乾燥地帯のコーナーへ。バオバブやそのほかいくつかの植物を長澤さんがご自身でマダガスカルに買い付けに行かれました。木を掘り起こすのも大変だったようですが、土を日本に持ち込むことが出来なかったため全部落として、根も切り、コンテナに入れて船で運んで来たそうです。コンテナの中は、暑く暗かったのですが何とか1か月半の船旅を耐えて京都にやってきました。世界に8種類のバオバブがあるといわれていますが、この植物園には7種類がそろっています。10年たったので早く花が咲いてほしいと願っています。バオバブは、現地では新芽をゆでてお浸しにして食べ、種から油を取り、幹の皮は屋根を葺くなど家づくりに使い、実の果肉はお菓子のように子供が食べるのだそうです。そんな話もガイドツアーでうかがえますから、問い合わせをしてみてくださいね。とっても楽しい温室プチ散策でした。

放送は、サンテレビで3月12日土曜日朝6:00から。再放送は水曜日の朝8:00からです。